ぼくの今年の詩集5冊、順位はなし。
今年もっともわくわくした詩集は金子光晴の『詩集「三人」』だった。ぼくはこの詩集が出たことを知らなかったし、知ってからは真っ先に書店に買いに行った。そして何度も何度も繰り返し読んだ。
ローゼ・アウスレンダーの『雨の言葉』は、日本人の書く詩とは全然ちがっていてよかった。図書館で偶然見つけて読んだが、書店には詩集などほとんどないのに、図書館にはたくさんあることも新鮮な驚きだった。
四元康祐と田口犬男の『対詩 泥の暦』はジャズの即興演奏のようだった。後半のソロがどちらもさえていた。
石垣りんの5冊目の詩集『レモンとねずみ』は、かわいらしい装丁と題だけど、石のようにどっしりとした言葉にのしかかられて身動きがとれなくなった。
谷川俊太郎の『私』を読んで、ぼくはぼくの中の「ぼく」と出会った。結局ぼくは「ぼく」に出会うために詩を読むのかもしれない。