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球体の蛇 道尾秀介

呑み込んだ嘘は、一生吐き出すことはできない――。
矛盾と葛藤を抱えながら生きる人間の内面を描く、道尾秀介の新境地!

【内容】

1992年秋。17歳の私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主の乙太郎さんと娘のナオ。奥さんと上の娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。そして、彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸にしまい込んだままでいる。
乙太郎さんが営む白蟻駆除のアルバイトをしていた私は、ある日営業に行った屋敷で、亡くなったサヨによく似た女性に出会う。強く惹かれた私は、夜な夜なその屋敷の軒下に潜り込み、老主人と彼女の情事を盗み聞きしていた。ある夜、屋敷は火事に見舞われ、私は命からがら逃げ出す羽目になる。その女性・智子は助かったが、老人は焼死。智子は、軒下に潜っていた私が放火してくれたおかげで、自分は自由の身になれたと私に感謝する。私はその誤解を解かないまま、彼女のアパートに通い詰めるようになった。だがある日、アパートを訪ねた私が見たものは――!?
狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことのできないあやまち。矛盾と葛藤を抱えながら生きる人間の内面を描き、青春の光と陰を浮き彫りにする、道尾秀介の新境地!

『球体の蛇』
著 道尾秀介 2009年11月20日発売
定価 1680円(税込) 四六判上製 280頁 角川書店

【著】道尾秀介(みちお・しゅうすけ)


撮影/相川明

1975年東京生まれ。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、同作でデビュー。2005年『向日葵の咲かない夏』で注目を集める。2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞、2009年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を受賞。デビューからわずか5年ながら、ミステリー、ホラー、文芸など、ジャンルの壁を打ち破る大躍進を続ける、いま最も注目されている作家。著書に『鬼の跫音』『片眼の猿』『ソロモンの犬』『ラットマン』『龍神の雨』など。


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『球体の蛇』については、杉江松恋さんによる書評も収めていますので、お楽しみください。>>書評を読む
B.J.インタビュー[道尾秀介×杉江松恋]も、ぜひどうぞ。>>インタビューを読む


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