直木賞受賞作でもあるこの本は普段から本を読まない私でも、すらすらと読むことができた。
事実、読みだすとなかなか止まらず、一気に読み終えてしまった。
二人の才能を持ったランナーが全く走ることとは無縁の人間たちと箱根駅伝に挑む。
箱根駅伝の二日間、一人一人が走る区間で心情が細かく描写されていたのがとくに印象に残っている。
それぞれが何かを抱えて、初めは走るということに乗り気ではなかった者が大半であっても、襷を繋ぐという行為によって十人が繋がっていくさまを見るのはとても心に残るものがあり、清々しい気持ちがした。
ありえない話であることはわかってはいるのだが、ページはどんどん進んでいってしまう。
読み終えれば「ああ終わってしまったのか」と思ってしまうほどに、まだまだ読んでいたくなる本だった。