犯罪やDV、いじめの被害者を攻撃することは「加害者に甘い」のではなく、反被害者である。この本に救いを感じるのは、悪いことは被害者が悪いとする人にきちんと批判をしてくれていることだ。
悪いことを悪いと言い、嘘は嘘だということを言う人たちがいなければ、世の中は悪くなるだろう。黙ってても世の中は大丈夫という人たちはただの怠け者である。
御都合主義と理想の区別もつかない人たちというものは怖いものだ。都合がよくて人が「喜んでいる」のと、人が「正しいと認める」のとでは正反対に近いものでさえあるのだが。
この本に登場する人たちは、知のある人々の義務というものをはたしていると思う。知を己のためだけではなく、人のためにいかしている。何とも素晴らしいことではないか。