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T・S・スピヴェット君傑作集

欄外に膨大な量の書き込みが付加されている
十二歳の少年の冒険小説
読み始めたら止まらない、文句なしの☆☆☆☆☆!

杉江松恋 Friday新刊チェック 2010/2/26
ライフ・ラーセン佐々田雅子
早川書房小説] 海外
2010.02  版型:A4
>>書籍情報のページへ
レビュワー/杉江松恋

最後は今年いちばん(といってもまだ二月しか経っていないが)興奮させられた作品をご紹介する。ライフ・ラーセン『T・S・スピヴェット君傑作集』である。一九八〇年生まれというから作者はまだ若い。これがデビュー作だが、発表ただちに話題となり、アメリカ、イギリス、カナダの三国でベストセラー・リストを賑わせたそうだ。

T・S・スピヴェットとは、本書の主人公の名前である。アメリカ北西部の州、モンタナにある牧場で暮らす十二歳の少年だが、彼には同世代の友人にはない特別な技能があった。緻密かつ正確な地図や図解を製作する能力だ。ある日T・Sは、長距離電話を受ける。ワシントンDCのスミソニアン学術協会からである。なんと、彼が製作してスミソニアンに送った図解が、栄えあるベアード賞を受賞したというのだ。電話の相手は、T・Sを成人と勘違いして喋り続ける。賞の授与にあたり、スミソニアンに来て基調演説をしてもらえないか……。一旦は怖気づいて電話を切ってしまったT・Sだったが、ワシントンDCへ行きたいという気持ちが次第に募ってくる。

ある日の早朝、T・Sは古ぼけたスーツケースに作図の七つ道具を仕舞いこみ、家を出た。家族には内緒の出発だ。もちろん彼が交通費を持っているはずはない。長距離貨物列車に無賃乗車をするのだ。大恐慌の時代、職を求める労働者はそのようにして北米大陸の各地に散っていった。いわゆるホーボーだ。かくして、現代のホーボーとなったT・Sの旅が始まる。最初の試練はもちろん、貨物列車を止めることだ。

ここまでが第一部「西部」のあらすじ。大西洋岸への移植から始まった合衆国は、東から西へと進展を遂げてきた。T・Sは、それを逆に辿るのである。十二歳の少年ながら冷徹な観察眼を持つ主人公が、目に映ったものを克明に描き出していく。第二部「大陸横断」は、そうしたロード・ノヴェルの要素を持つパートだ。そして目的地ワシントンDCでの出来事を描くのが第三部「東部」。本書はその三部で構成された物語だ。

ご覧のとおり少年を主人公にした冒険小説なのだが、その書きようが尋常ではない。ラーセンは以上の物語に、T・Sによる膨大な量の「つぶやき」を付け加えた。本文の欄外には、膨大な量の書き込みが付加されているのだ。つぶやきは、心の動きを示す文章だけではない。偉大な図版製作者であるT・Sは、当然のことながらさまざまな「図」を挿入している。彼が乗った貨物列車の路線図はもちろん、スピヴェット家の家系図であったり、彼が黙って持ち出してきた母親のノートの複写であったり、時には都会人のズボン丈に関する論考であるとか、人の顔面がとる四十六の表情パターンであるとか、物語の進行とどう関係するのかわからないような無駄知識までが動員され、欄外を埋め尽くしている。脚注小説の亜種ということもできるでしょう。

そのため本書は一般的な単行本の大きさではなく、事典か年鑑と見紛う巨大な版型で刊行されているのである。当然ずしりと重たい。でも無駄に重いわけではない。これはみっしりと中身が詰まった博物誌の重さだ。単純に筋を追うだけではなく、つぶやきと図を眺め、横道にそれることを楽しみながら読み進めるべき作品なのである。これ一冊で三冊分は読んだような密度がある。少し値段は張るが、絶対後悔はしないです。

それにしても、作者はどうしてこういった物語形式に行き着いたのか。そのヒントは欄外の方にあるように思う。T・Sは、本文ではなく欄外のほうで大事なことを語ることがあるのだ。彼は大冒険旅行のしばらく前に、不幸な事故で弟レイトンを亡くしている。その事実は最初脚注で明かされるのだが、次第に本文の方にも進出していき、やがて本文で語られる挿話と合流を果たす。物語の推進役をつとめるT・S(本文)と、後見役のT・S(欄外)とを並置することにより、そうした立体的な物語が成立したのだ。高速道路と一般道路が並んで走っている道を思い浮かべたらよろしい。十二歳の少年が家族に対して抱く感情は、そうやって複線化しないと描ききれないような屈折したものだったわけだ(このことは彼が母親をドクター・クレアという堅苦しい尊称で呼ぶことにも関係してくるはずである)。

もちろん欄外の記述があることの意味はそれだけではなく、ここでは書ききれないさまざまな効果が上がっている。視覚的効果によって複数の比喩表現を重ねやすくするという意味もあるだろう。トリヴィアルな知識をコラムのように埋めこむことで物語に人目を惹く特異点を設けるというような狙いもあるだろう。単におもしろくてやっちゃったというところだってあるだろう。ごった煮のような魅力に関しては、実物を読んで体感していただきたい。読み始めたら止まらない、迷宮のような物語だ。文句なしの☆☆☆☆☆である。ああ、この本を紹介できてよかった。

とてもおすすめ ☆☆☆☆☆
おすすめ ☆☆☆☆
まあまあ ☆☆☆
あまりおすすめできない ☆☆
これは困った

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