2009年1月20日、ついにバラク・オバマが第44代アメリカ合衆国大統領に就任する。8年ぶりの民主党への政権交代、そして初のアフリカ系黒人の大統領だ。戦争で、経済で、文化で、ありとあらゆる面で全世界を決定づけているアメリカという国について、いまこそ改めて考えてみたい。【Book Japan】のおすすめは、この三冊。町山智浩がアメリカのいまの現実をユーモラスにレポートする話題の最新作『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』、伝説の黒人開放指導者、マルコムXの口述をアレックス・ヘイリーがまとめた名著『完訳 マルコムX自伝』、駒沢敏器によるアメリカの名も知れない小さな町をめぐった旅行記『語るに足る、ささやかな人生』。アメリカという、いつも新たな欲望の風船を発見し、それを膨らませずにはいられない国の人間たち、広大な土地に星のようにポツンと現れる町、そして人種問題…。レビュワー、北條一浩さんによる書評をじっくりとお読みいただきたい。アメリカ、なんてイヤな国なのか。なんてスリリングな国なのか。