青い脂
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著
ウラジーミル・ソローキン
訳
望月哲男
訳
松下隆志
河出書房新社
[小説]
海外
2012.08 版型:単行本(ソフトカバー) ISBN:4309206018
価格:3,675円(税込)
2068年、雪に埋もれた東シベリアの遺伝子研究所。トルストイ4号、ドストエフスキー2号、ナボコフ7号など、7体の文学クローンが作品を執筆したのち体内に蓄積される不思議な物質「青脂」。母なるロシアの大地と交合する謎の教団がタイムマシンでこの物質を送りこんだのは、スターリンとヒトラーがヨーロッパを二分する1954年のモスクワだった。スターリン、フルシチョフ、ベリヤ、アフマートワ、マンデリシュターム、ブロツキー、ヒトラー、ヘス、ゲーリング、リーフェンシュタール…。20世紀の巨頭たちが「青脂」をめぐって繰りひろげる大争奪戦。マルチセックス、拷問、ドラッグ、正体不明な造語が詰めこまれた奇想天外な物語は、やがてオーバーザルツベルクのヒトラーの牙城で究極の大団円を迎えることとなる。現代文学の怪物ソローキンの代表作、ついに翻訳刊行。
おすすめ本書評
- 『青い脂』ウラジーミル・ソローキン
〈リプス!〉。お笑いコンビ・オードリーのボケ役である春日のギャグ「トゥース!」に語感の似た、本書で何度も登場するこの言葉。脚注によると、由来はアメリカ海兵隊軍曹の苗字。2028年オクラホマでの核災害時に、ジョナサン・リプスは放射線障害ゾーンに残り、死にゆく自分の様子を実況放送したという。すると事故後、ユーロアジア人の間で彼の苗字が罵言として口にされ始めて、国際的に広まった…って何じゃそりゃ?
藤井勉
2012/10/03掲載
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