世界が終わるわけではなく
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著
ケイト・アトキンソン
東京創元社
[小説]
海外
2012.11 版型:単行本 ISBN:4488016545
価格:2,205円(税込)
可愛がっていた飼い猫が大きくなっていき、気がつくと、ソファの隣で背もたれに寄りかかって足を組んでテレビを見ている!そして…という「猫の愛人」、真面目な青年と、悪さをしながら面白おかしく暮らす彼のドッペルゲンガーの物語「ドッペルゲンガー」、事故で死んだ女性が、死後もこの世にとどまって残された家族たちを見守ることになる「時空の亀裂」等々、十二篇のゆるやかに連関した物語。千夜一夜物語のような、それでいて現実世界の不確実性を垣間見せてくれる、ウィットブレッド賞受賞作家によるきわめて現代的で味わい深い短篇集。
おすすめ本書評
- 『世界が終わるわけではなく』ケイト・アトキンソン
この原稿を書いているのは、2012年12月21日。マヤ暦だと、世界が滅亡する日らしい。デビュー作『博物館の裏庭で』(小野寺健訳、新潮クレスト・ブックス)に続く、二作目の翻訳となる本書。その短編集の冒頭を飾る「シャーリーンとトゥルーディのお買い物」でも、世界は終わろうとしている。テロ行為でテレビ局は破壊され、市街地では銃撃戦が繰り広げられている。どうやら以前には、大きな地震も起きたようだ。そんな世界で二人の女性が、取り留めのない世間話を続けている。母親の誕生日プレゼントを何にするか。どんな男とデートをしたいか。どんなペットを飼うか、などなど…。
藤井勉
2013/01/11掲載
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