アインシュタインに次ぐと言われる宇宙物理学者、スティーヴン・ホーキング博士が、作家である娘ルーシー・ホーキングと共著で児童向きスペイスファンタジーを出版した。
博士に寄せられる「ブラックホールってなに?」などの子どもたちの疑問にわかりやすく答えるためにも、[科学的事実]に基づいた宇宙冒険物語を、娘ルーシーの物語を織りなす筆力と融合させ、みごとに創りあげた。
小学生の主人公ジョージは、環境保全運動家の両親のもとに生まれた。科学、文明的なものを嫌う家庭で育ったがゆえに、余計に宇宙やコンピュータに興味がつのっていく。
そこには、風変わりな女の子アニーと、その父・科学者のエリックが住んでいた。
[世界一すばらしいコンピュータ]コスモスに導かれて、宇宙の大冒険をするふたり。ブラックホールの真の正体とは? ブラックホールに落ちてしまったエリックを助けるために、気弱だったジョージは、アニーと共に立ち上がる。
貴重な写真や宇宙に関するわかりやすい解説も満載。読者は、読み進むうちに、すっかり宇宙の神秘の虜となるはず。ホンモノの超一流宇宙物理学者が書いたからこそ、臨場感、真実性に溢れ、ぐいぐいと物語の世界へはまっていく。
『未来の地球を守るためにはどうしたらいいの?』という大きな問いかけに、親子で考える良いチャンスにもなる著書である。もちろん、ただ著作を通して宇宙の神秘に浸りたいという人にもお勧め。
プラネタリュウム好きのわたしは、この作品を通して夜空のロマンに思いを馳せた。
天の川のまん中には、巨大なブラックホールがあるって、知っていますか?