観光
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著
ラッタウット・ラープチャルーンサップ
訳
古屋美登里
早川書房
/ハヤカワepi文庫
[小説]
国内
2010.08 版型:文庫 ISBN:4151200622
価格:840円(税込)
美しい海辺のリゾートへ旅行に出かけた失明間近の母とその息子。遠方の大学への入学を控えた息子の心には、さまざまな思いが去来する――なにげない心の交流が胸を打つ表題作をはじめ、11歳の少年がいかがわしい酒場で大人の世界を垣間見る「カフェ・ラブリーで」、闘鶏に負けつづける父を見つめる娘を描く「闘鶏師」など全7篇を収録。人生の切ない断片を温かいまなざしでつづる、タイ系アメリカ人作家による傑作短篇集。
おすすめ本書評
- ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』
正月休みにゴールデンウィークにお盆、休みともなると家族連れからお一人様まで多くの人々が、混雑をものともせず国内外へ観光に出掛ける。その観光の魅力とは、普段見ることのできない景色を目にして驚きや興奮を味わい、日常に戻った時の活力とできることにあるのだと思う。
タイ系アメリカ人の青年によって、2005年(日本では2007年)に刊行された初の著作である本書は、<能なしとガイジン、犯罪者と観光客の天国>タイを舞台に主人公それぞれの<観光>を描いた短篇集である。しかし、そこで行われる<観光>とは人々がイメージするようなものとは一味も二味も違う<観光>だ――
藤井勉
2010/11/03掲載
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