池澤夏樹個人編集による「世界文学全集」(河出書房新社)を読むシリーズの第4回目。今回はフランス編。
まずは仏領インドシナ生まれのマルグリット・デュラスの作品、『太平洋の防波堤』『愛人 ラマン』をセットで。デュラスの初期代表作『太平洋の防波堤』と、さらにその30年以上後に出版された後期代表作『愛人 ラマン』は、実は同じモチーフによる作品。この2作はどう同じでどう違うのか。そもそも、なぜ同じ土台から異なる2作品が生まれたのか。デュラスはなにを思ってこれらの作品を書いたのか…。興味が尽きないこれらのテーマにレビュワー・朱雀正道さんが挑みます。
そして、フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』。多感な少女の愛と憎悪を描いてセンセーションを巻き起こした、衝撃のデビュー作であり、まさに代名詞とも言えるこの作品。これを後期の名作『逃げ道』(なんとコメディ!!)とのセットで紹介することにより、サガンの魅力・作家性に迫ります。
今回の周辺作品は、(デュラスとの植民地つながりで)カミュの『異邦人』。どこが周辺なんだっていうくらいの名作であることは言わずもがな。ですが、再読・再々読に耐えうる多面的な魅力に満ちた作品であることは、読んだことのある人ならみんな知っているはず。そして朱雀正道さんのこの『異邦人』レビューを新たに読めば、また読んでみようとそんな気持ちになってもらえるはず…、です。
今回もまた、原稿たっぷりです。で、こう言うのもなんですけどね、面白いです。