まさにレビュワー・三浦天紗子さんが書いているとおりだか、その「キャラ立ちっぷり」で、一躍人気者となった川上未映子さん。あの芥川賞受賞の記者会見は、スター誕生の瞬間だったと言えるだろう。川上未映子さんの小説集は現在のところ、第138回芥川賞受賞作『乳と卵』をはじめとして全3冊。いずれにしても、女性が女性であり続けることの考察・葛藤が共通のテーマであり、これはご存知のみなさんも多いだろうが、大阪弁炸裂の文体がなんといってもオリジナルな魅力だ。まずは、この大阪弁のグルーブにうまく乗っかって読み進むことが肝心。それには、もっとも読みやすいであろう『乳と卵』から始めるのがおすすめだ。川上さんならではの表現による人間のおかしみ・哀しみ、そして大阪弁のなんともいえないユーモアにはまってしまうこと間違いなし。次いで、『わたくし率 イン 歯ー、または世界』『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』と、よりコアな表現がみられるデビュー作へ翻っていく、というわけである。あ、ようさん書きすぎやな。はよ、次行こ。