池澤夏樹個人編集による「世界文学全集」(河出書房新社)を読むシリーズの第2回目。前回、北米から、今回は南米へ、ひとっ飛び。待ち構えるのは巨匠バルガス=リョサの『楽園への道』。祖母・革命家「フローラ・トリスタン」と孫・画家「ポール・ゴーギャン」の、理想の楽園を追い求め続けた生涯を描く入魂の大作であり、時空を超えて展開する壮大な物語は、まさに圧巻だ。
そして、ラテン・アメリカの、いや世界の巨匠、ホルヘ・ルイス ボルヘス。幻想的かつイマジネイティブなその作品世界の深淵さたるや…。今回は短編集の名作「不死の人」の書評をご紹介。さらにラテン・アメリカの女性作家のトップに立つイザベル・アジェンデも登場。リョサ、ボルヘスの作品がヘビー級なので、ここは軽めの「神と野獣の都」のピックアップとした。
ボルヘスとアジェンデに関しては、作家の全体像の紹介も兼ねた書評としています。というわけで、朱雀正道さんの書評を、例によって、たっぷりとお楽しみください